お米の新商品情報

高齢者の健康寿命を支える、「WE米®」使用の画期的な“ごはんのお供”【株式会社シニアライフクリエイト】

高齢者の健康寿命を支える、「WE米®」使用の画期的な“ごはんのお供”【株式会社シニアライフクリエイト】

高齢者の低栄養を解消するプロジェクトがスタート

総務省によると、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合は2024年に29.3%に達しました。その数は過去最多の約3,635万人。それに応じて高齢者向けの食品市場は2025年に約2,000億円規模になると予測されています。こうした中で近年、高齢者の「低栄養」が社会課題として注目されています。食欲や口腔機能が低下することで食事量が減少し、健康的に生きるのに必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素が不足している状態を低栄養状態といいますが、そのリスクを抱えている人口は「令和元年度 国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)」によると、65歳以上の男性が193万人、女性が420万人とされています。

  • これまで食を通じて高齢者の健康寿命の伸長に取り組んできた株式会社シニアライフクリエイト(以下、シニアライフクリエイト)が、この低栄養問題を見過ごすはずもありません。同社が導き出したひとつの答えが、今回の米穀周年供給・需要拡大支援事業を活用し、米を主原料として食欲増進を促しながら、食後血糖値と中性脂肪の上昇に配慮した商品の開発でした。同商品の特徴や目的についてシニアライフクリエイトに聞きました。
  • 高齢者の低栄養を解消するプロジェクトがスタート

宅配サービスを通じて気付いた高齢者の食欲不振

  • 同社が開発した商品は、米を使った「お米ブレンド海苔佃煮」。シニアライフクリエイトは創業時から高齢者を中心にお弁当を届ける宅配サービスを展開し、栄養バランスに配慮したさまざまなお弁当を開発してきましたが、佃煮というご飯に添える副食の開発ははじめてのことだったそうです。
    「当社は約11万人の高齢者の方々に毎日お弁当を直接お届けしているので、スタッフ一人ひとりがお客様の日々のご様子を知ることができます。その中で多くの方々の食欲が減少傾向にあるのを身に沁みて感じています。そこで、機能性表示食品の『WE米Ⓡ』を取り入れた低栄養対応商品を開発することにしました。米を使った商品開発もはじめてのことだったので、一般社団法人在宅栄養ケア推進基金にご協力いただきながら、商品化を進めていきました」と新規事業開発部の内島裕也さんが開発のきっかけを振り返ります。

    「WE米Ⓡ」とは、JA北大阪と大阪公立大学が共同開発したスーパー玄米で、うるち玄米と比べレジスタントスターチ(難消化性デンプン)が約50倍、γ-オリザノールが約2倍含まれる機能性表示食品。「WE米Ⓡ」の使用を提案した一般社団法人在宅栄養ケア推進基金(以下、在宅栄養ケア推進基金)の冨田実さんが「『WE米Ⓡ』は糖尿病のみならず境界型糖尿病の方でも、動脈硬化や認知機能低下などを引き起こしやすい食後過血糖を予防してくれます」と使用の理由を話します。
  • 宅配サービスを通じて気付いた高齢者の食欲不振

高齢者の食習慣になじみやすい商品の開発にシフト

  • さらに、みかん由来の陳皮と生姜を配合し、糖尿病・内分泌代謝内科が専門の岐阜大学・矢田俊彦教授の監修を受けて商品化に至りました。実際に試食商談会などで多くの管理栄養士や医療関係者から、その新規性に対し高い評価を得ることができ、シニアライフクリエイトと在宅栄養ケア推進基金は今後に期待を寄せます。
  • 高齢者の食習慣になじみやすい商品の開発にシフト
  • しかし、開発は決して順風満帆ではありませんでした。開発コンセプトは変わりませんが、当初は佃煮ではなく食前ゼリーの開発を検討していたといいます。「飲み込みやすいゼリーであれば、食欲がないときでも口にしてもらいやすいと考えました。しかし、ゼリーを食べる習慣のある高齢者は多くありません。また、米を原料にするのだから、“ごはんのお供”になる食品にしようと海苔佃煮に移行しました」(内島さん)
    さらに「陳皮と生姜の配合や米の含有量を増やすと、苦味やえぐみが気になりました。苦味を消す効果のあるシクロデキストリンというオリゴ糖を試すなど、食べてもらいやすい食味、色味、粘度に仕上がるまでに何度も試作を繰り返しました」と開発の苦労を惣菜部の今井奈菜さんは話します。
  • 確かなエビデンスを取得して、医療関係者からも高い評価

描く未来は「お米ブレンド海苔佃煮」による地方創生

  • こうして誕生した「お米ブレンド海苔佃煮」は食後過血糖を予防するWE米Ⓡを主原料にすることで、高齢者の低栄養解消に一石を投じてくれる商品として期待が募ります。
    これからさらに改良したうえで発売するという同社では、今後大量生産できる製造委託先探しや味のバリエーション開発なども計画し、医療機関などへの展開も視野に入れています。

    さらに、同社と在宅栄養ケア推進基金の視線の先には、地方創生という壮大なプロジェクトが控えているといいます。両者が思い描く未来を在宅栄養ケア推進基金の富永倫紀さんが最後にこう話してくれました。「地方では人口減少に伴って地域医療も衰退していきます。そのため『お米ブレンド海苔佃煮』をきっかけに地域の人口を守り、医療も守っていければと考えています。この商品が浸透すれば米の付加価値が高まり、農業従事者の所得増加にもつながります。地域医療、農家、そして地域の人たちが生き生きと暮らせる地方をつくるお手伝いをしていきたいと考えています」
  • 描く未来は「お米ブレンド海苔佃煮」による地方創生

 

【事業者紹介】
株式会社シニアライフクリエイト
東京都港区三田3-12-14 ニッテン三田ビル
https://slc-123.co.jp/

 

【販売情報】※発売予定は2025年6月以降(2025年3月時点)
・健康直球便:https://kenko-chokkyubin.com/
・特助くん:https://tokusukekun.com/tokusukekun-ec/