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多様化する食のニーズに応える、お米でできた「あなたのためのチーズ」【Happy Eco Life Kitchen】

多様化する食のニーズに応える、お米でできた「あなたのためのチーズ」【Happy Eco Life Kitchen】

食の多様性に応える中で偶然生まれた「マイチーズ」

「お米でつくったチーズ代替品『マイチーズ』の第2弾となるモッツァレラタイプを、もうすぐお届けできると思います」と話すのは、間絵莉子さん。
大阪府でHappy Eco Life Kitchenを主宰する間さんは、グルテンフリーでヴィーガン対応、アレルギー特定原材料不使用、添加物無添加という「マイチーズ」を開発し、2023年に発売しました。「マイチーズ」は「わたしのチーズ。お米のチーズ。」というキャッチフレーズのとおり、多様な食の嗜好性を持つ方や小麦等のアレルギーを持っている人、健康に配慮したいという人に向けてつくられました。

  • 「人の数だけ食べ物への嗜好性、多様性があります。またさまざまなアレルギーがあり、食べたいものを食べられないと悩んでいる人も多い。そんな人に『あなたのためのチーズですよ』と届けたいと思ったのが『マイチーズ』をつくったきっかけです」
    間さん自身、ワーキングホリデーでオーストラリアやカナダに滞在する中で、さまざまな食生活をおくる人々と出会い、自身もベジタリアンに。その後、日本に帰国してからはヴィーガンの食生活を嗜好するようになったそうです。
    「海外で知り合った女性がユーチューバーになり、ヴィーガンとしての想いや世界の環境の実情について発信し始めました。それを見て目から鱗。そこから動物性の食品を排してヴィーガンに。グルテンフリーも目指したのですが、そうなると食べるものがとても厳しくて……」

    間さんの住む大阪は「コナモン」の町。小麦粉を排除した食生活はかなり難しく、できる範囲で続けていたと言います。そんな中、米粉を使ってチヂミをつくっているときに、「マイチーズ」のヒントに偶然出会いました。
    「チヂミの失敗作。その生地が、まるでとろ~っととろけたチーズのようでした。米粉と水と油のバランスがチーズの食感や風味を生みだしていたのです。そこから配合量などの試作を繰り返し『マイチーズ』が生まれました」
    乳製品を摂らないヴィーガンにとって、チーズの代替品を探すのは至難の業。「マイチーズ」がそのサポートになれば、と有志5人で発売を開始したと言います。
    「反響はとても大きかった。そこでより多くの人の要望に応えたいと、手に入りにくい、ヴィーガンでも楽しめるモッツァレラタイプの開発にチャレンジすることにしたのです」

より多くの人に食の喜びを伝えたい、と第2弾の開発に挑戦

  • 「マイチーズ」第2弾の開発にチャレンジする前にも、間さんはさまざまな活動を始めていました。
    「第1弾は発売するとすぐに話題になり、さまざまなイベントなどの引き合いがありました。その一方で『より良いものをつくりたい』という思いから、原材料となるお米の栽培にも挑戦しました」

    第2弾の開発にあたっては、農林水産省の令和5年度米穀周年供給・需要拡大支援事業の補助金を活用することにしました。
    アレルギー特定原材料28品目不使用・動物性原料不使用・添加物不使用、そしてお米でつくるモッツァレラチーズ代替品という条件で開発。こまめに試食を繰り返し、開発パートナーと議論しながらつくりあげていったそうです。

    「第1弾ではお米でチーズ代替品をつくること自体が初めてで、どう進めるかから模索していきました。でも今回はつくり方は見えていますし、ゴールも明確に描けています。前回より迷いなく進められ、完成度の高いものができたと思っています。大詰めを迎えているのは、製造方法。パッケージやどこでつくるか、どれくらいつくるかなどを議論しています。発送方法や販売方法についても検討しています」
  • 間さんが手にしているのは、試作品となるパッケージに入ったモッツァレラタイプの「マイチーズ」。食感をモッツァレラチーズに近づけ、形状を維持するために、今回はお米と水と油のほかに寒天を使用しているそうです。そのおかげで、モッツァレラチーズの特徴である、ぷにっとした弾力のある歯ごたえを楽しめるのだそう。オリーブオイルやバジルソースとの相性も良く、パスタやカプレーゼなどの料理がおいしいと間さん。
    「モッツァレラチーズの特徴が再現できたことが伝わるよう、名前も『もっちりモッツァレラ』と決めました。5月頃からイベントなどで試食していただき、知名度を上げて6月頃から販売を開始する予定です」

食を通して、多様性が受け入れられ持続可能な社会の構築を目指す

「『マイチーズ』もこれで2商品目。販売も軌道に乗り始めて、私も『マイチーズ』の開発や販売、広報に集中できるようになってきました。現在は個人事業主としてHappy Eco Life Kitchenの活動をしていますが、将来は法人化して、より広く『マイチーズ』を広めていきたいと考えています」と話す間さん。
ヴィーガンの人だけでなく、乳製品アレルギーのある子どもを持つ方などに買われることも多く、「食べたかった食事が食べられるようになった」という声をもらうことも増えたそうです。「あなたのためのチーズ」という最初のコンセプトが、より広く現実化していることに喜びを感じていると間さんは話します。

  • 「広くいろんな方に『マイチーズ』を手に取ってもらえるように、さらなる商品の展開を考えています。いまある商品を私自身がイベントや催事で紹介したり、飲食店で提供してもらったりという活動がそのひとつ。また、商品ラインナップを広げて、多様なニーズに対応することも考えています」

    たとえば、挑戦を始めたお米づくり。そこでは無農薬自然栽培で稲作をしているそうですが、そこでできたお米を使ったよりこだわりの詰まった「マイチーズ」をつくる一方で、原材料にそこまでこだわらず、安価で手にしやすいタイプの「マイチーズ」をつくることも視野に入っていると言います。

    「現在は限定で販売しているスイーツづくりもより広げていきたい。そうして商品幅を広げることで、多様なニーズに応え、たくさんの人に喜んでもらいたい。みんなが楽しくストレスなく食事ができる世界になればいいなと思います」
    動物性の食材を用いず、サステナブルな食品をつくることで、フードロスをなくしたり環境保護にも貢献したいと、間さんは広がる大きく夢を話してくれました。

 

【事業者紹介】
Happy Eco Life Kitchen
https://www.mycheese.jp/

 

【販売情報】
自社ECサイト、イベントや催事で夏頃発売予定(2024年3月時点)