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次世代の米菓は“キラキラ系”? 最大手米菓メーカーが確立する新カテゴリー【亀田製菓】
次世代の米菓は“キラキラ系”? 最大手米菓メーカーが確立する新カテゴリー【亀田製菓】
米菓市場が抱える“2040年問題”迫られる新規購買層の開拓
米菓のリーディングカンパニーであり、日本のみならず海外にも日本伝統のおいしさを届ける亀田製菓。設立から66年、「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」、「亀田のまがりせんべい」、「ぽたぽた焼」などのヒット商品を次々と生み出し、飽きの来ないおいしさで家庭の団らんを演出してきました。
- 商品開発力を発揮して業界の発展をけん引してきた同社はいま、米菓の未来を左右するであろう企業の節目を迎えています。米菓のヘビーユーザーである50代~70代に続く新たな購買者層の開拓に向けて、商品単位にとどまらないカテゴリーレベルのプロジェクトを実行しています。その推進役を担うのが、マーケティング戦略部 揚米菓・うす焼チームです。マネージャーの歴舎直輝さんは、プロジェクトの背景について「菓子の一ジャンルとして確立された米菓ですが、10年・20年先には主要購買層の高齢化にともない、市場規模は縮小すると予測されています。米菓最大手の当社としては、市場規模の維持はあくまで通過点とし、さらに拡大させる施策を実施すべきだと考えています」と話します。
米菓市場の新たな購買層として注目するのが、40代以下の米菓購入頻度の少ないライトユーザー層と、米菓に親しみのないノンユーザー層です。亀田製菓は米菓の未来を創るため、今まで踏み入れたことのない市場領域で挑戦を着々と進行しています。
米菓の常識をくつがえすきらびやかな商品群
- 亀田製菓が取り組むのは、商品開発の枠を超えた「カテゴリー開発」です。プロジェクトチームは、40代以下のターゲット層の喫食傾向を調査するなかで、米菓に関しては油で揚げたあられタイプと、クリスピーなうす焼タイプが支持されていることを突きとめ、それをもとに商品開発を進めました。そのなかで食味のほかに意識したのが、きらびやかな商品パッケージです。和風で落ち着いた色味のイメージが根強い米菓業界にあって、歴舎さんたちが手掛けた商品は新機軸のカテゴリーであることが一目で伝わるインパクトがあります。
そのひとつが、2021年2月に発売された「無限エビ」です。エビのうまさとサクサクとした食感、若年層を意識したポップなパッケージと販促施策が評判を呼び、発売から1週間で100万袋を売り上げ、ファンのリクエストを受けて2023年2月には「無限のり」をリリース。米菓メーカーの難関とされてきた若年層市場で、偉業ともいえるシリーズ化につなげました。さらに、ポテトスナックの観点から米菓の可能性を引き出した新商品も。関東地方(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県)限定で2023年3月に発売した「亀田ポテト」は、その名のとおり米菓原料のもち米とポテトを合わせた商品で、しっかりとした噛みごたえと、噛むほどに広がるお米とポテトの風味が特徴です。
- 成川知里さんは、画期的商品を生み出す鍵にふれます。「『亀田ポテト』を例にすると、40代以下はポテトスナックを好む傾向にありました。ポテトスナックの商品群に割って入るには、亀田製菓ならではの価値を付与することが不可欠です。当社の米菓製法を活かし、もち米のザクザクとした食感のなかからポテトが香る、未体験のおいしさを実現。トレンドを追うだけでなく、伝統技術と掛け合わせることで、消費者に驚きを与える商品は生まれます」。
新カテゴリーへの反響を追い風に驚きのあるおいしさを作り続ける
- 現在、亀田製菓は「無限」シリーズと「亀田ポテト」という米菓の“期待の星”に、幅広い世代から支持される「ハッピーターン」を加えた3商品を中心に「“やみつき注意”なお米のお菓子」とカテゴライズしています。従来の米菓ともスナック菓子とも一線を画す、米菓の未来を創るいままでにないカテゴリーです。今後は同カテゴリーの意義に賛同する小売店の協力のもと、きらびやかな商品が連なる売り場づくりを展開していくと歴舎さんは抱負を口にします。「売り場展開に先駆けて、カテゴリー商品群を陳列してサンプリングするイベントを開催したところ、SNSで大きな話題となりました。やはり、次世代の消費者層はおいしさだけでなく、お菓子ならではのあっと驚く楽しさも合わせていないと自分向けの商品だと感じてくれません。消費者の興味関心を促す視覚効果と新しい体験価値を、米菓売り場の活性化につなげていきたいです」。
- 新たな試みで着実に新規需要を獲得するなかでも、亀田製菓が掲げる米菓の本質的価値が「おいしさ」であることは揺るぎません。苅谷匠さんは開発中の商品への期待を話します。「米菓はお米の品種や製造方法の組み合わせで、想像もしていなかった味わいが生まれる奥深い食品です。そこに米菓にとって新しい機械が導入されることで、米菓はまた一歩進化します。研究を重ねるなかでどのような味わいや食感が生まれるのか、私自身もとても楽しみです」。
新商品開発を起点に様々な施策を展開する亀田製菓。開発従事者の向上心と製造技術の応用・革新により築かれる道は、米菓市場の輝く未来へと続いていることでしょう。
【事業者紹介】
亀田製菓株式会社
新潟県新潟市江南区亀田工業団地3丁目1番1号
www.kamedaseika.co.jp/