お米の新商品開発情報サイト コメノミリョク

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米糖化液の優しい甘さに野菜果実の恵みを込めた、秋田生まれのライスミルクスムージー【ノリット・ジャポン株式会社】
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米糖化液の優しい甘さに野菜果実の恵みを込めた、秋田生まれのライスミルクスムージー【ノリット・ジャポン株式会社】

ライスミルクを革新、お米のフローズンスムージー

秋田市のノリット・ジャポンは、地方に活力をもたらすことをミッションに、各地域の食材を使った魅力ある商品の企画・開発・販売を手掛ける地域商社です。今回、米どころ秋田を盛り上げようと県産米を使った自社商品ブランド「INOCHINE~イノチネ」を復活させ、新商品のライスミルクスムージーをリリースしました。

  • 「INOCHINE~イノチネ」の名は、稲の語源とも言われる「命の根」に由来します。同社がこのブランドを立ち上げたのは約10年前ですが、米に生活者の関心が向けられつつある今こそ、米どころである秋田からその魅力や可能性を発信しようと、ブランド再興に取り組んできました。新たに開発したライスミルクスムージーもまた、これまで温めてきた企画を実現したものです。

    米が主原料のライスミルクは、主に要冷蔵のチルド商品として各社から販売されています。同社も過去に小売向け商品を展開したものの賞味期限が短いため販売に苦戦し、この何年かは業務用商品の提供にとどまっていました。今回、それを一からつくり変えるプロジェクトが立ち上がりました。ミッションは、賞味期限が長くおいしい小売用の新商品を開発して、秋田県産米の魅力を広く伝えることです。

    プロジェクトオーナーの加賀谷大樹さん(同社営業企画部)は、「従来品はストレートで飲用するライスミルクとして製造していましたが、今回はその糖度を極限まで高めた米糖化液を甘味料として開発し、それを原材料にしていろいろな商品を開発していくことにしました。その第一弾が、このライスミルクスムージーです」と話します。

秋田県産うるち米の米糖化液をベースに、県産の野菜や果物を加えた飲料を検討し、フローズン(冷凍品)のライスミルクスムージーとすることで、もともとの課題だったチルド商品のライスミルクの消費期限の短さを解決しました。

秋田県内のメーカーとタッグを組んでおいしさ追求

  • 米糖化液の開発・製造は、同社と秋田県大仙市の清酒メーカーが共同で行いました。製造方法は甘酒と似ていますが、米麹の代わりに酵素を加えて米の甘みを引き出す点が異なります。甘酒と同様の乳白色の液体ができあがりますが、その甘さは水あめを超えるほどだそうです。

    「この米糖化液がフローズン製品の原材料に適しています」と加賀谷さんは説明します。一般的にアイスミルクをつくるには、牛乳、砂糖、練乳、水あめなどを原材料としますが、米糖化液は加水するだけでアイスミルクに近いフローズン製品がつくれます。これをベースに野菜や果物を加えるミルクスムージーの商品開発は、秋田市内のジェラート製造工場とタッグを組みました。最も時間を費やしたのは「おいしさ」の検討です。
  • 「おいしいと感じる甘さを決めることに腐心しました。まず、米糖化液と水の配合をどうするか。また、米糖化液を甘味料として使う際、米の香りが強すぎるとせっかくの野菜や果物のフレーバーが生きてこないという課題もありました」と加賀谷さん。品種の選定から、製造工程、酵素の種類、水との配合の割合、米の粒は残すのかなど、何パターンもの試作を営業部のメンバーでテイスティングしたそうです。

    米については、うるち米、酒米、高アミロース米など、様々な品種を試して、ごはんとしても食味のバランスに優れたブランド米の「あきたこまち」を主体に、米粒は飲み心地の良さから残さないことに決定しました。メンバーの意見が割れることもありましたが、その度に設定したペルソナに立ち返り、「健康面に配慮する」「手軽に食べられる」「食事を通して子どもと楽しめる」といった食スタイルに関心がある人に届けたいお米の飲み物が誕生しました。

第一弾では、プレーンのほか、秋田県産のいちごのフレーバーを発売。色素などの添加物は使用していないため色はほとんどつきませんが、飲めばいちごを感じます。このほか、トマト、メロン、コマツナ、リンゴ、キウイなどを検討中で、これらの中から米糖化液と合わせておいしいものを選定していくそうです。

秋田米の魅力と可能性を「INOCHINE~イノチネ」ブランドで届ける

  • こうした地域食材を使った商品のプロデュース事業と並んでクリエイティブ事業を柱とする同社は、デザイン開発、ブランディング、プロモーションまでワンストップで行えることが強み。自社のクリエイティブディレクターを起用し、INOCHINEブランド商品のパッケージ制作にあたりました。

    フローズンミルクスムージーの容器はいろいろなシーンで手軽に飲んでもらえるように、スクリューキャップ式の広口パックを採用。携行性もポイントです。ブランドロゴと地模様にいちごの透かしが入ったラベルには上質さが感じられます。

「米糖化液と水、野菜果実を原材料とするライスミルクスムージーは、グルテンフリーやヴィーガン、健康志向にも対応しますが、販売であえて打ち出すことはありません。地域性のあるおいしいものが好きな多くの人に手に取ってもらいたいです」と加賀谷さんは話します。

INOCHINEブランドのテーマは、秋田県の米を使っておいしい飲料や食品を開発することです。ライスミルクスムージーのバリエーションを増やすのはもちろん、今後は米糖化液を甘味料としてさまざまな加工品に挑戦すると展望を語ってくれました。

 

【事業者紹介】
ノリット・ジャポン株式会社
秋田県秋田市大町3丁目5-8 ウィング・グラン4階
https://www.norit.jp

 

【販売情報】※2025年2月から販売予定(2023年1月時点)
・秋田市内の土産物店
・自社ECサイト「INOCHINE」
https://www.inochine.jp