清水商事株式会社(新潟県三条市)は、1962年設立の家庭用品総合商社。金物の街・燕三条の地の利をいかして、200社以上の仕入れ先から、キッチン用品、テーブルウェア、バス・トイレタリーなど、取り扱いアイテム数は8000以上。県内近郊のスーパーやホームセンターを中心に卸しています。
「当初はカトラリーなどを検討していましたが、軽く割れにくいバイオマスプラスチックの特性をいかして、普段使いできる食器をつくることにしました」と清水さん。長年、同社テーブルウェア事業部で和食器に携わってきた社員を中心に商品企画を進め、暖かみがありながらも洗練されたフォルムがデザインされました。
「デザインを形にするためには、金型や射出成形の技術が欠かせません。何社もの金型メーカーにあたりましたが、新素材のライスレジンを成形してくれるメーカーはなかなか見つかりませんでした。若手が承継した金型メーカーが、チャレンジを申し出てくれたのは大きな救いでしたが、彼らも新素材の扱い方に初めのうちは頭を悩ませていました」と清水さんは振り返ります。
こうして生まれたバイオマスプラスチック製の食器を、同社はお米のうつわ「ほわり」と名付け、椀、ボウル、プレート(3サイズ)を各5色で展開しています。カラーを決める際、女性従業員の意見により選ばれたパープルは、食器にはめずらしい色ですが、シリーズの中でも人気のカラーになっています。
バイオマス系の商品は価格が高くなる傾向がありますが、同社の主な取引先がスーパーやホームセンターであることから、商品の価格はできるだけ抑える必要があり、企業努力でお椀とボウルは700円、皿はサイズによって600円~800円(いずれも税別・参考小売価格)。既存のプラスチック製品より多少高めの価格設定でしたが、昨今の原材料の価格高騰でプラスチック製品が値上がりしたことで価格差がなくなりつつあります。原料としても国産で需要をまかなえる米のメリットが反映されるかたちとなりました。
業務用として展開するための課題はすでに解決済みです。「ほわり」の耐熱温度は110℃のため、一部の取引先から電子レンジ対応商品の要望があり、同社は米の含有率10%の商品を新たに開発しました。耐熱性の向上と引き換えに独特のマットな風合いは失われてしまいましたが、その後もメーカーと共に試作を重ね、ライスレジンのノウハウが蓄積されたことで、米の含有率が10%の製品でもマットな風合いを出すことに成功。業務用としての耐久性もクリアすることができました。
【事業者紹介】
清水商事株式会社
新潟県三条市鶴田3-2-12
https://www.shimizu-trading.jp
【販売情報】※販売中(2023年12月時点)
ECサイト「hibicolle」