お米の魅力コラム

今だからこそ考える「米」の消費拡大

今だからこそ考える「米」の消費拡大


ウクライナ侵攻の影響で資源や食料価格が高騰、小麦価格も値上がりし、パンや麺類ではなく米食を見直そうという声も出てきているこのタイミングだからこそ、「米」の消費拡大についてあらためて考えたいと思います。

まず、食育の現場である学校給食の米飯推進。
食育基本法にある伝統の食文化、地域特性の反映、食料需給の理解、地産地消、食料自給率アップを実現するためには「米」は一番身近な食材ではないでしょうか。水で炊くだけで美味しくなり、どんな食材とも相性が良く毎日食べても飽きないのは「米」の一番の魅力です。未来を担う子供たちに学校給食で米飯を出し続けたことで「米」を食べる食習慣が根付き、「米」の魅力を知った米好きの子供たちが増えてきていることはうれしい限りです。

次に、「米」の健康効果の発見。
脳の栄養となる糖質を「米」が効果的に共有し神経細胞を活性化させる、「米」に含まれるたんぱく質がインスリンの分泌を促進することで血糖値の上昇を抑える、「米」の難消化性でんぷんであるレジスタントスターチが腸内環境を整え生活習慣病予防やダイエットに効果的である、「玄米」に含まれるγオリザノールが動物性脂肪の嗜好性を減退させる、等々「米」の健康効果について次々と研究結果が発表されています。この事実を正確に消費者に伝えていくことで「米」の普及につながるのではないでしょうか。

そして、「米」の消費拡大のために行われている様々な取り組み。
農林水産省補助事業として「米」の新商品開発のアイデア募集や、需要が拡大しつつある中食・外食向けの実需者と生産者のマッチング商談会。これらにより、実際に商品化されつつあります。「米」を使った新しいメニューや乳製品の代替品、ライスウイスキーといった食品だけではなく、「米」を原料としたバイオマスプラスチックの開発など、「米」にはまだまだ可能性があるようです。
消費者が「米」にもっと興味を持ち、自分事として参加したくなるようなイベントを企画し、実現してほしいと思います。「米」ファンが増え、消費拡大にもつながることを期待しています。

「料理王国」元発行人 中沢美佐子