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地産地消&循環型農業に取り組み、地域の農業と暮らしを盛り上げる【みなくちファーム】

地産地消&循環型農業に取り組み、地域の農業と暮らしを盛り上げる【みなくちファーム】

老舗酒造と協力し、地元産の米で日本酒づくりに挑戦

  • 京都駅から鉄道で約1時間、琵琶湖北部に位置する高島市マキノ町。みなくちファームは、ここで無農薬野菜や原木シイタケの栽培、味噌や醤油の製造、さらに宿泊施設やカフェを運営しています。今回、米穀周年供給・需要拡大支援事業を活用して日本酒づくりにも挑戦、地元の農家や老舗酒造の協力のもと、純米酒「さとのたみ」を開発しました。

    今回つくった日本酒には、食用米として栽培された「コシヒカリ」を近隣の農家から仕入れて使用しています。食用米は「山田錦」のような酒米よりも粒が小さいため、お酒には不向きとされていますが、あえて「コシヒカリ」での酒づくりを選択しました。
    代表を務める水口淳さんは、「地産地消に取り組んでいる私たちとしては、主原料である米も地元で栽培されたものを使いたいと考えていました。酒米は収量が少なく、安定して確保することが難しいかもしれないという懸念もありました。そこで、地元の農家でつくっている米なら一定の量を確保できると考えました」と話してくれました。
  • 老舗酒造と協力し、地元産の米で日本酒づくりに挑戦
  • 「さとのたみ」のラベルには、マキノ町周辺の里山を思わせる山並みと麓に広がる田んぼが描かれています。銘柄名やラベルのイラストには、地域の産物を使い、地元の人たちに向けてつくったお酒であることを表現したそうです。
    「『さとのたみ』は地元の農家や酒造会社など、皆さんの協力がなければ完成しませんでした。『地元の米でいいお酒をつくりたい』『町を盛り上げたい』という皆さんの気持ちが製品化につながったと思います」と話してくれました。

    2026年1月末に完成した「さとのたみ」は、2月に地元の人を中心とした試飲会でお披露目しました。参加した人たちからは「香りは控えめながら、ピリッとした飲み口でおいしい」「すっきりとした味わいなので、普段あまり日本酒を飲まない人にもよさそう」といった感想があったそうです。

    水口さんは「2025~26年につくった分は、商品を知ってもらうためにイベントで活用し、2026年秋から仕込む分で約2,000本(720mL)をつくり、近隣の酒店や道の駅のほか、自社サイトで販売します。たくさんの人に楽しんでもらいたいので、価格は当初予定していた2,800円前後から、2,200円程度にしたいと考えています」と今後の予定を話してくれました。
  • 老舗酒造と協力し、地元産の米で日本酒づくりに挑戦

日本酒づくりで出た副産物から堆肥も開発

  • みなくちファームでは、今回つくった日本酒から出た酒粕などの副産物を活用し、新たに「さとやま堆肥」も開発しました。これは農場で栽培している原木シイタケで使用したホダ木の廃材を細かいチップ状にし、そこに日本酒の製造工程で出たもみ殻や米ぬか、酒粕を混ぜ、竹パウダーを加えてつくります。
  • 日本酒づくりで出た副産物から堆肥も開発
  • 水口さんは米を原料にした初めての堆肥づくりについて、「発酵を促す竹パウダーがうまく作用してくれたようです。これまでよりも発酵が早く進み、ふんわりとした良質な堆肥ができました。よく見るともみ殻などが少し残っているのがわかりますよ」と話します。
    でき上がった堆肥は30軒以上の農家に配布し、使い勝手を試してもらったそうです。
    「時期的に苗床での使用が中心でしたが、皆さんからは『土にほどよい粘りが出た』『発芽率がよくなった』といった評価をいただきました」と、こちらも上々の手ごたえがあったと話してくれました。
    「さとやま堆肥」は、2026年秋ごろから家庭菜園用としてホームセンターなどで扱うほか、自社サイトでも1袋20L入りを2,000円(税込)で販売予定です。
  • 日本酒づくりで出た副産物から堆肥も開発

マキノの里山を守り、循環型農業で地域を盛り上げる

  • アパレル関係の仕事をしていた水口さんが、マキノ町にみなくちファームを設立したのは12年ほど前のこと。ご実家は兼業農家でしたが、水口さん自身は農業に特別関心をもっていたわけではなかったそうです。
    「この地域に限ったことではありませんが、高齢化や人手不足などから、農家を生業にする人は年々減少しています。田んぼや農地は人が手を入れ続けないと、すぐに荒れてしまいます。地元の将来とそれに対して自分ができることは何かを考え、ここにファームをつくることを決意しました」と設立の経緯を話します。

    水口さんたちは原木シイタケの栽培で出る廃材(ホダ木)やファームで飼育している馬の排泄物などから堆肥をつくり、化学肥料や農薬を一切使わない有機栽培に取り組みました。農産物は有機JASの認証を受け、それらを使った料理を併設するカフェで提供しています。
  • マキノの里山を守り、循環型農業で地域を盛り上げる
  • 今回開発した日本酒と堆肥について、水口さんはこう話します。
    「どちらも納得の品質に仕上がりました。地元で育った米を使って日本酒をつくり、そこから出た副産物からつくった堆肥で野菜を育てるという、私たちが取り組んでいる循環型農業の姿がまた一つ実現しました。農業は地域全体の協力なくしてはできません。今回の日本酒づくりが軌道にのれば、米農家には安定した収入源となり、安心して米づくりに取り組むことができるようになります。そして収穫した米を私たちが仕入れて商品化する。この循環を大切に育てていきたいと考えています」

    今回、水口さんは本事業を活用して新商品のパンフレットを作成、商工会に協力してもらい観光施設に設置するなどで商品PRに役立てていく予定です。

    地産地消と循環型農業で地域を元気にする。水口さんたちの活動はこれからも続きます。
  • マキノの里山を守り、循環型農業で地域を盛り上げる

 

※本記事は2026年3月時点の情報です

 

【事業者紹介】
事業者紹介
みなくちファーム
滋賀県高島市マキノ町蛭口1386-8
https://minakuchi-farm.com/

 

【販売情報】
・自社ECサイト
https://minakuchi-farm.shop/

・滋賀県内の酒店、道の駅、ホームセンターなど
※酒税法上は醸造酒類に該当