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インバウンドを意識し日本各地の産品とコラボ。「五感で楽しむ」新しいポン菓子【坂金製菓株式会社】
インバウンドを意識し日本各地の産品とコラボ。「五感で楽しむ」新しいポン菓子【坂金製菓株式会社】
事業を継続・発展していくために、より付加価値の高い商品を開発
- 「購入者自身がポン菓子に抹茶パウダーをかけて、容器内でシャカシャカと混ぜて、スプーンで食べる、新しいスタイルのお菓子です」と話すのは、名古屋市にある坂金製菓株式会社(以下、坂金製菓)の代表取締役・葛島幹也さん。和風のデザインを施した大きめのドリンクカップには「ALL JAPON kashi Matcha」という商品名が書かれており、インバウンド市場を意識したパッケージになっています。この新しいポン菓子の開発の経緯と今後の展望について、葛島さんに詳しくお聞きしました。
坂金製菓は操業90年を越える老舗の菓子メーカーで葛島さんは4代目。現在の主力商品はコーンやお米を原料としたポン菓子です。創業当時から変わらず爆裂加工という独特な製造技術で、素材のおいしさを活かした⼦どもからお年寄りまで楽しめるお菓子をつくり続けています。 
ポン菓子を量販流通レベルで製造しているメーカーは全国でも少なく、坂金製菓はその中でも大きなシェアを持っています。しかし、近年は原材料の高騰や円安の影響もあり、廃業するメーカーも増えているそうです。そんな状況下で事業を継続・発展していくには、より付加価値の高い商品の開発が必要と葛島さんは考えていました。
登山好きで自然に触れるのが大好きな葛島さんは、以前から「自然を大切にしたい」という思いがありました。
「その思いとお菓子づくりをどうやって組み合わせたら良いか、ずっと模索していました。ポン菓子は自然素材そのものの特徴を活かしたお菓子です。なので、その素材の元になる地元の農産物や日本の農業を大事にすることが、日本の自然を大切にすることにもつながると考え、自然素材にとことんこだわった国産原料100%のポン菓子『ALL JAPON kashi』を開発しました」
インバウンドを意識して抹茶味に。五感で楽しめるお菓子が完成
- 「ALL JAPON kashi」は、地元愛知のお米「あいちのかおり」と、鹿児島県産のサトウキビを使った島砂糖、国産のさつまいも・じゃがいもを原料とした水飴、長崎県産の五島灘の海水から取得した塩を使用した、家族みんなが安心して食べられるポン菓子です。
しかし、国内の日常消費に依存した従来型の商品開発だけでは、需要の先細りは避けられません。そこで葛島さんが目を向けたのが、体験価値を重視した商品づくりです。その舞台として注目したのが、インバウンド市場。そして海外の人々に人気の「抹茶」です。
「インバウンド市場では『日本独自の食体験』に関心が高く、『抹茶』は世界的に人気です。ポン菓子は、実演販売の際の『ポン!』という音や、香ばしい匂い、そして食感や味わいなど、五感すべてで楽しめるお菓子です。日本の伝統的な米菓子であるポン菓子に、購入者自身が抹茶を振りかけるという体験価値を提供する。これは、特にアジア圏観光客が重視する体験型消費のニーズに合致します。また、健康志向の高まりからグルテンフリーの米菓子と抹茶の組み合わせは欧米豪の観光客にも響くはず。抹茶の新たな楽しみ方として受け入れられる素地は十分にあります」と葛島さん。
抹茶の粉末を個包装にすることで、抹茶そのものの風味がキープされ、食べる直前に振りかけることで新鮮な香りと味を楽しめます。まさに体験型の商品です。 
SNS用の動画を制作し、浅草でテストマーケティング
- 今回、米穀周年供給・需要拡大支援事業を活用し、商品PRのための動画制作とテストマーケティングを行いました。
動画はSNSでの情報拡散による販売促進と、購入者への顧客満足度向上という二つの重要な役割を担うものです。Instagramのリール投稿に最適な90秒の尺で、「食べ方の提案」と「製品の紹介」という2部構成。「食べ方の提案」パートでは、消費者が自身で抹茶をかけて商品を完成させるという体験価値を、最小限の文言とインパクトのある映像で表現。「製品の紹介」パートでは、ポン菓子の製造工程や素材のこだわり、日本での歴史などを英語のテキストとともに紹介。InstagramやTikTokなどSNSで公開され、商品パッケージからは二次元コードでYouTube動画に繋がります。 
- テストマーケティングの場所として、世界中から多様な国籍、年齢、文化背景を持つ観光客が集まる浅草の「試食BARアサクサ」を選定。来場客が全国各地の特産物・名産品などを無料で「試食」することができ、出展企業はフィードバックとしてアンケート結果を得ることができる施設を活用しました。また、インスタグラムのフォロワーや葛島さんの卒業した大学の学食、飲食店などでも試食・アンケートを実施しました。
「アンケートでは、味やデザイン、体験の楽しさが高く評価され、価格についても500円程度であれば十分に受け入れられるという結果が得られました。外国人観光客にも人気があり、特に抹茶の風味や体験型の食べ方が好評でした。一方、『パッケージの二次元コードが小さい』とか『容器のフタの締まりが悪く、シャカシャカと振りにくい』といった改善点にも気付かされました」と葛島さん。 
- 現在、パッケージ等の改良を進めるとともに、抹茶パウダーの調整や抹茶以外の各地の農産物パウダーとコラボした商品展開も検討しているそうです。
「当商品は小ロット生産が可能なため、地域ごとの特色を活かした商品開発がしやすい点が強みです。例えば現在、五島列島の安納芋のパウダーを活用する相談をしていますが、そのような各地の名産品とのコラボバージョンを進めていきたい。このほかにも各地の問屋さんや知り合いのバイヤーさんからの相談が届いています」と葛島さん。すでに抹茶の試作品があるので商品展開のイメージがしやすく、各方面から注目されているそうです。
将来的にはそれらの商品を、インバウンド客との接点が多い主要空港の免税店等をはじめ、都内ターミナル駅の土産物店や高級ホテルの売店へ導入することも検討中とのこと。
葛島さんの挑戦はこれだけではありません。
「坂金製菓は、日本の米文化を守り、次世代に伝えることを使命としています。米離れが進む中で、米の新たな可能性を追求し、シリアル化など新しい主食提案も考えています。今後も地元農産物とのコラボや、五感で楽しめる体験型お菓子の開発を通じて、日本の食文化の魅力を国内外に発信していきます」と熱く語ってくださいました。 
【事業者紹介】
坂金製菓株式会社
愛知県名古屋市西区名西2-26-10
https://www.sakakinseika.com
【販売情報】(2026年1月時点)
・2026年中に卸として法人向けに販売開始予定
